斉藤ひとりさんのお話 劣等感
お父さんが劣等感があって不動産屋を始めても、お父さんはお父さんで、立派にその、何っていうのかな、劣等感を活かしたんだよね。
で、社長になってやってたんでしょ?って。それはそれで正しいの。自分も正しいし、相手も正しいの。
この世の中、みんな正しいの。で、正しい意見が一つじゃないの。100も200もあるんだよ。
うちのオヤジってね、あの、遊んでばかしいて、俺、働いてんの見たことない。
で、うちのおふくろって仕事ばっかししてたの。で、オヤジがいいとかおふくろがいいじゃないの。
いいかい?オヤジは遊んでばかしいたんだよ。おふくろは働いてばかしいたんだよ。
で、俺はそれの両方が混じってるんだよ。だから、鉄だけじゃ曲がっちゃうけど、コンクリートだけじゃ崩れちゃうんだよ。
すと、鉄筋コンクリートになると、ビルが100年でももつんだよ。
だから、こうやって見てて、遊び好きのオヤジのいいとこ取って、働き者のおふくろのいいとこ取って、自分の中で鉄筋コンクリートにすりゃいんだっていう。
いいかい?何かあったら不幸の材料にしちゃいけないんだよ。
オヤジがこうだから、ああだからって、そのことで不幸になっちゃいけないんだよ。
それを因果が巡るっていうんだよ。どう解釈しても構わないから、自分の得になる解釈をするんだよ。ね?
俺はあのオヤジの嫌なとこが流れてんだとか、おふくろの嫌なとこが流れてんだじゃないの。ね?
その中からいいとこだけ取るの。だから、俺はオヤジの遊び好きとおふくろの働き者の血が流れてて、すっごくバランスがよく取れてるんだよ。
じゃ、バランスは誰がとったんですか?って俺がとってんだよ。俺、旅行ばかばか行くんだよ。
で、仕事もするんだよ。「ありがたいな!」って思うと、自分が何でもいいから幸せになっちゃうと、親がありがたく見えるんだよ。
親が嫌いな人は自分が不幸なんだよ。親の問題じゃないんだよ。
何でもいいから自分が幸せになっちゃうと、人間っていうのは「産んでくれてありがたかった!」って気になっちゃうの。
だから、親のことなんか忘れて幸せになっちゃうの。わかるかな?
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